私を愛して【完】





あたしの言葉に雪斗くんは壁から手を放してくれてあたしの逃げ道ができた。



何も言わずただ黙って、目も合わせないで返ろうとした___けど、これだけは言っておきたくて、知ってもらいたくて。




「…好き」




そう呟いて走った。



消えそうな声で言ったから雪斗くんに届いたか分からない。



だけど後ろで「未来ッ」と苗字ではなく名前を呼ばれた気がした。



嘘、本当はちゃんとそう言っていたのを聞いていたのにそれを彼、雪斗くんもあたしを追いかけてくることはなかった。





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