私を愛して【完】





優しかったことが嬉しかったんだろう。


だから気づかなかった。


だから、あたしは遂に捨てられた。


けど、捨てられたからといってそんなに落ち込んでもいないし、悲しんでもいない。


いつかこうなることは分かっていたから。


ギャンブルをして、莫大な借金をして、そしてあたしを置いて逃げるんだろうと思ってたから。


ただ、この綺麗さっぱりな家を見て驚いているだけ。


何故あたしが生活する上で必要な物まで持っていったのか。


あたしの部屋は教科書も洋服も何もかもがなくなっていた。


でも突然なくなったんじゃないって分かってる。


ここ1週間で徐々になくなっていったんだって。


それにあたしは気づかなかっただけ。


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