君がいないと、僕は歌えない

雨の日の告白

ライブのあった週末が明けた、月曜日。


放課後。ホームルームが終わり、生徒達でざわめく廊下を靴箱に向けて歩いていると、中腹でいつものように仲間に囲まれている奏を見つけた。


学校内で、一番目立ってはしゃいでいるグループ。その中心で、奏は相変わらず笑顔を浮かべていた。やっぱり奏は、こういうポジションが似合う。


ふと、奏と目が合った。私は急いで視線を逸らして、廊下の先へと急いだ。






―――だけど。


「キョーコ」


まだほとんど人がいない靴箱に辿り着いた途端、背後から呼び止められる。


そこには、神妙な顔をした奏が立っていた。


廊下の向こうで、先ほどまで奏と一緒にガヤガヤやっていた子達が、不審そうにこちらを見ている。


「話しがあるんだ」


嫌な、予感がした。


「………」


返事をせずに、素早く靴に履き替えると奏から逃げるように昇降口を出る。


「おい、キョーコ!」


すると奏は、上靴のまま私を追ってきた。


そしてグラウンドに差し掛かる直前で、腕を捉えられてしまう。









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