できさせちゃった結婚

不穏





一週間後、
私は家に帰ってきていた。




荷物が一切なくなって閑散としたこの葵さんとのマンションに。
ただだだっ広くなったこの部屋に、
私の荷物しかなくなったその部屋はもう人の住んでる気配がないくらい静かなものだった。




そう、葵さんは居なくなった。






というと誤解になってしまうけど、正確には葵さんは京都支社に飛ばされてしまっていたのだ。
私が入院している間に、事は大きく変わり始めていた。





たった三日前に聞いた出来事はは三つ。
一つ目は赤ちゃんは今のところ無事だが切迫流産になっていたということ。なのでまだ入院の必要があるということ。
二つ目は妊娠が会社にばれたということ。
最後は、妊娠がばれたことで上司の葵さんが私をかばって京都支社に飛ばされたという三つだ。




結婚のことはなぜかばれてないらしい。
このことは葵さんの友人である主任が言っていた。
きつい、言葉も浴びせられた。




「ようやく出世街道の波に乗ってきていたのにバカなやつだ」





主任はそういって、病室から出ていった。





それからつい昨日のことだ。
葵さんが大きな荷物を抱えて病室に訪れたのは。






「すまない。大事な時に一人にさせてしまって」





「私のせいなのに、謝らないで……」






まともに会話したのはこの言葉だけ。
興奮してもいけないからと、お医者様に言われたからだ。





続きはまた赤ちゃんの状態が良くなってきてからに持ち越しになって、
そして、今、入院するために自分の衣類や道具を持ちにマンションに寄った。




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