できさせちゃった結婚

巡る感情



今目の前にそびえ立つものは高層ビルのようなマンション。
顎を前に突き出さないとてっぺんが見えない。
そんなマンションのすぐ目の前に来ていた。



だがしかし、
カギをポストに入れておくとはメールで言っていたけども、
肝心の中に入れないことにはポストを確認なんてできやしない。



オートロックではないけれど、中には管理人さんがいるので、迂闊に入ると通報されそうで入れなかった。
そしてたまにこちらをちらちら伺うのでどうしても自動ドアに近づけないでいた。




(わ、私は怪し者じゃないんです)



心の中で叫びながら、大きなバッグをぎゅっと締め付けた。




これはもう葵さんを待つしかないか。




諦め半分で家主を待つことにした。
通報されても困るし、内定に響くと嫌なので。
と言い訳をして、駅近くの喫茶店で暇つぶしをすることにした。


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