できさせちゃった結婚



って、腰が砕けてる場合じゃない。
と奮い立って化粧直しするために持ってきた化粧ポーチを持ってせっせとグロスを塗りなおす。




「ここまで惹かれるなんて、私も案外変態?」





鏡を見ながらため息をつく。
気持ち的にはすごく複雑。
葵さんは私のことを彼女と思ってくれているかもしれないけど、私はまだ葵さんの気持ちを聞いてない。
古風といわれるかも知れないけど、そこはきちんとはっきりさせないと気がすまない。
これが【真面目に人と付き合ってきた】所以。




さっきまの胸の高まりから一変、急に不安が過ぎる。
もし、葵さんの言う彼女は、体だけの関係のことだったら、私はどうすればいい?




そのまま受け入れる?
それとも、断る?
こんなにも惹かれといて?
ねぇ、どうしたらいいの。




時計の音だけがカッチコッチと鳴る。
ペタンとソファーの前に座って、ただ葵さんの帰りを待つだけしかできなかった。



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