好きになった人は、光の中で生きるべき人だった。偶然出会った彼と、奇跡のような恋をした。もしかしたらその人は、手の届かない世界の人だったのかもしれない。



スポットライトの中に浮かんだのは。

間違いなく彼だった。



奏でる音に、魅了されたのは。

自分だけではなかった。


光の中にいる彼は。

まるで、知らない誰かのようで。



そして、遠かった。





「たった一人のために、唄えればいい。」



そう言った、彼の言葉に。

素直に頷けなかったのは。


ここが、彼の居場所じゃないと知っていたから。



彼の戻るべき場所は。


どこよりも光り輝く。



その、光の中だった