一ノ瀬さん家の家庭事情。【完】

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「は、はじめましてっ…俺、一ノ瀬さんと同じクラスの、浅丘聡太って言います。」

目の前には緊張した面持ちのあたしの好きな人と、怖い顔をしたあたしのお兄ちゃん。

そんなにみんなして囲むようにじっと見ないであげてよ!

浅丘君、ごめん…

遡ること一週間前、あたしのプチ家出事件騒動のあと、りっちゃんが帰ってきたあたしに言った一言。

「ちゃんと紹介して。」

あたしは一瞬戸惑ったけど、もしそれでりっちゃんが認めてくれるなら、浅丘君に必死でお願いしたのだ。

浅丘君は快く引き受けてくれただけでなく、

「一ノ瀬の兄弟に紹介してもらえるなんて、嬉しい。」

とさえ言ってくれたんだから!

「うわ、マジかよ。愛の彼氏って、聡太だったの!?」

同じバスケ部の先輩後輩の関係である真兄はかなり驚いた様子で。

「てっきり優大と付き合ってんのかと思った!」

この人はまた余計なことを!

久住君の名前が出た瞬間、りっちゃんの眉間の皺がまた寄った!

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