続・そして言う、『家族をやめよう』と。 【完結】




「ねえ澄、大丈夫?」




ふと、和貴の顔が間近にあることに気付き、我に返る。

俺を覗き込む和貴は、心配そうに眉を寄せていた。




「え、なに?」

「だから、大丈夫?って。ぼーっとしてた。」




何かあった?と真面目に聞く和貴。

俺より、和貴自身だろう、心配すべきは。

麗ちゃんが家出をして、もうすぐ一年。

和貴は、麗ちゃんのいないことに弱り切っている。

それでも、人を心配するところ、素直に尊敬する。




「何もないよ。」

「そう?最近ぼーっとしてるよ、本当に。」

「只の考え事。」




そう言って笑うと、何故か少し顔を曇らせる。


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