拝啓

F





この世界は、とても美しいようです。


この世界で生きるには、私はあまりに醜いようです。



笑えばいくらかましになるかと、私は笑います。


その度に嘘を重ねて、首が締まって行くようです。




でも君は、そんな言葉をくれるんですね。


私の涙が止まらないのは、君のせいです。





『…いい、の?』

『…ん?』

『私、で…、いいの?』

『…違うだろ?』





君は優しく、私を覗き込んで。





『“私”は、どう思うの?』





私を暖かく、諭します。





『…し、たい』





こぼれ落ちるのは。





『…私と結婚、してください』





君のおかげです。

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