あなたを愛すと決めました。㊤

あなたを愛すと決めました。 /情

「クビにされたら困る。金のこともあるけど…やっとできたあんたとの関わり……奪われたくない」

「………」

「あたし、この前の記憶全然ないんだけど、なんか飲ませた?」

「………」

「まぁ、なんでもいいけど……あたしちゃんと答えた?」

「……何を?」

「名前。聞いたでしょ?」

「………」



右京の視線が、あたしの胸元……名札のあたりに移動した。




‘アンナ’は、本当の名前じゃないけど……



「あたしは佐藤アンナ。アンナって呼んでよ。右京」

「………」



あたしは、あたしの近くにいた人たちが、この出来事に驚いて離れていっているのに気づきながらも、右京から視線をそらせずにいた。


0
  • しおりをはさむ
  • 156
  • 1608
/ 449ページ
このページを編集する