バイバイ、前髪。

バイバイ、前髪。

長い前髪の世界で、私は縮こまってじっと耐えていた。すぐ伸びる髪は量があって、ピンでは留まりきらずに流れ出す。

シカト。

無視される、よくわからない冷めた空気の中の朝。


「ボールペンで、毛抜けるんだってぇ~。浅田さんやってみない?」

「嫌です」

「なんでぇ?痛くないってよ」


残念そうにやろうとすすめてくる東さん。

昨日のTV 番組で、やっていたと判ったのは、東さん他数人が同じ言い方をしたから。


事実はしらない。

一人、二人、三人と、いろんな口が同じことを言う。

ボールペンをカチカチノックしながら来て。

【毛抜いてやろうか?】

バカじゃない?

何が、痛くない?

人に頭差し出して、ボールペンを突きつけられて毛を無理矢理毟られるなんて、【屈辱】以外の何者でもない。


にやにや来る顔にシャーペンを投げつけたい。

痛くないならお前がやれよ、と。

言えたらいいのに。

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