牛すじ煮込みを作りながらノドグロをさばいて干しつつ数学史の本を読んでいたけどそろそろ小説も読んでみたいところ。なので光文社古典新訳文庫でモーパッサンの『脂肪の塊』とトルストイの『クロイツェル・ソナタ』を手に入れておいた。ちょっと重すぎるラインナップのような気はするけどまぁいいか。
光文社古典新訳文庫というとワイルドの『サロメ』を読み終わったけどこの訳だとサロメが無邪気にして悪辣という感じがあってなかなかいいものだった。岩波文庫だとサロメは妖艶にして悪逆非道という雰囲気を纏っている感じがあってこれもよかったんだよなぁ。
ニーチェの『ツァラトゥストラ』は岩波文庫・中公文庫・光文社古典新訳文庫で読んだんだけどこれもまた翻訳で雰囲気が変わるんだよね。言葉遊びの訳し方も違ってくるんだけど主人公の一人称からして選ぶのが変わってくるからなぁ。
そういえばレイモンド・チャンドラーのフィリップ・マーロウものも村上春樹の訳ではまだ読んでないな。清水俊二が『長いお別れ』と訳したところを村上春樹は『ロング・グッドバイ』と訳してあるのでストレートな訳し方をしているのかしらね。いずれ試してみたくはある。
そうそう、クトゥルー神話も翻訳によってだいぶ変わってくるねぇ。タイトルが違いすぎて同じ小説だと分からないものもけっこうあるよね。これもまたひとつの世界か。