PURPLE Ⅰ【完】

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「男前だろ?」


ぼんやりと車窓から流れる景色を見ていても主語が誰なのかはすぐに理解でき。


昨夜の写真


写真の中には最高級と言い切れるほどの男性が写っていて……


「もてそうだね」


確信のもと尋ねると


「ああ...かなり。女性からは勿論、男性からもな」


『変な意味じゃないぞ』と笑うけれど、きっと保さんの言わんとするところの変な意味もあり得るだろう


それほど写真に写る男性からは自信と色気が溢れ出ていた。


「どんな人?」


「えっ?」


「保さんから見た彼、一之瀬さんはどんな人?」


「そうだなぁ…」


保さんは熟考するように缶コーヒーを飲みタバコに火をつける。


「そうだな、冷静沈着の見本みたいな奴だ。冷静沈着、博学多才、天資英明……んっ?」


急に笑い出した私に、訝しむような顔を向ける


「ごめんごめん。随分と“好評嘖々”なんだと思って」


保さんは笑いのツボを理解できたのか一緒になって笑い出す。


「えーっと......一之瀬さんは、容姿端麗、冷静沈着、博学多才、天資英明...眉目秀麗もついでに付けちゃう?」


また笑い出す保さん


でも『怖い人だね』と私が呟くと、今までの和やかな車内が一遍し


「良くも悪くも、あいつの時代が来る」


そう言い苦い顔をしながら、短くなったタバコを灰皿に押し付けた。


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