PURPLE Ⅰ【完】

第2章 /ほんまのはなし

「ごめんシュウ、今週学校行けない。休みの日会えない?」


朝一番アオからの電話。


「夜でも大丈夫?都内のスタジオで撮影して事務所に寄って帰るから…少し遅くなるけど?」


「大丈夫!!」


どこぞやの忠犬のように、シッポを振るアオの姿が目に浮かぶ。



アオの居ない学校へ行く意味がないけれど、京悟さんに学費を払ってもらっている以上はと思い直し登校する。


ゆっくり歩く道をピンクの花びらが走る


すっかり葉桜になった街路樹。


ゆっくり流れる雲。


もうすぐ咲き出しそうなハナミズキ。


今日は少し肌寒いけれど、しっかり春を感じて歩く。


興味本位の視線も、目が合い固まり動けなくなる姿も、数日で慣れてはきた。


個性豊かな髪型も制服も、慣れとは恐ろしく平平たる日常になっていく。


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