PURPLE Ⅰ【完】

「守ってやりたかった」


声にすると、なんと薄っぺらく聞こえるのだろう。


虚しさが込み上げる。


高等部に進級すると出てきた婚約の話。


のらりくらりと交わす事もあれば、毅然と断る事もあった。


あの方から言い付けられた『見合い』


俄かには信じられなかった……


しかし二週間後に設けられている席は間違いではなく。


聡い彼女はきっと理解しているだろう。


この見合いの行き着く未来を。


向こうに見える空はどんよりとしていて、やるせなさを引連れて車を出した。







――close――



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