PURPLE Ⅰ【完】


「オレの大切な居場所やねん」



背後から聞こえるジクの呟きが、冷たい空間に響いた。



──女は人に居場所を求め、男は社会に居場所を求める。


そう、読んだ本に書いてあった…


だったら人にも社会にも居場所が無いと感じた時


人は絶望し死を選ぶのだろうか?


だからママも死を選んだのだろうか?


反目しながらもママに居場所を求め続けた私では、彼女の居場所にならなかったのだろうか?



人の息づかいの聞こえない巨大な箱は、必要以上に孤独を感じさせる。


ジクもさっきのあの場所で、同じ孤独に耐えているのなら


嘘の慰めでもかければよかったのかもしれない。


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