PURPLE Ⅰ【完】

第2章 /教え

「起き上がって大丈夫なのか?」


「大丈夫。横になり過ぎて疲れちゃった」


ドアのスライド音に振り向き、心配症の保さんに『もう横になるのはウンザリだよ』と答える。


「なら……いいが」


「響子さん大丈夫かな?」


先程までこの場所でボロボロと泣いていた響子さん。


傷ついたのは私なんかじゃない。


私が周りの人を、大切な人達を傷つけてしまった。


「ああ…大分落ち着いていたから大丈夫だろう」


「……保さん?」


「んっ?」


「私……どうしたらいい?」


「………」


「響子さん自分をあんなに責めて、仕事も穴開けて……なにしてるんだろう私…」


「朱織」


「誰も私を責めない」


近づき優しく包み込むように抱きしめてくれる保さん。


「みんなが朱織を責めないのは、誰よりも朱織が傷ついていると知っているから、
誰よりも笑っていてほしいから、誰よりも大切だから、そして誰よりも愛しているからだ。

だからもう自分を責めなくていい。
優しくされた分だけ、愛された分だけ、相手に返してあげればいい。それだけでいいんだ。大丈夫だ朱織」


保さんの言葉はいつも真直ぐで綺麗すぎるけれど


誰よりも、どんな言葉よりもスッと心に染み渡り、良き思い出のように心に居座る。

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