PURPLE Ⅰ【完】

第3章 /休憩所

「ふぁ~ ねみぃー」


横を歩く隼くんは、いつものように機嫌が悪く『だりぃ』『ねみぃ』を繰り返す。


たしかに和解というか、アオとの誤解は解けはしたものの


別に私と仲良しになったわけでもない彼が、煩わしく思うのは至極当然で。


それに今日は凄く暑くて。


夏じゃないのに夏日らしく。


照りつける太陽が街路樹にあたり、爽やかさを演出しているけれど


横を歩く彼は、爽やかより気だるさで。


太陽より月の光で。


笑顔よりも冷淡が似合い。


でもそれが彼の魅力らしく、すれ違う女性はもちろん、男性までもが必ず彼を目で追いかける。




「あんた、もう大丈夫なのか?」


「だいぶね。週明けから学校にも行くし、それに仕事もこれ以上迷惑かけれないから」


「あっそ」


人に聞いておきながら関心がないのか、こちらを見ようとはせず。


「隼くんはどうしてる?」


「はあ?」


「だから私が仕事している間。一緒にいるの?」


聞くと、途端に嫌そうに顔を歪めた。

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