PURPLE Ⅰ【完】

第3章 /デットライン

狭い路地に“森のくまさん”の歌声が響く。


何故だか右京さんと恋人つなぎで横を歩き、半ば強制的に輪唱させられていて


このまま歌えば、踊りだすのは目に見えて


「ところで右京さん?どうしてあんな所歩いてたんですか?」


「さんぽ」


「散歩ですか」


「そう。今日ボク、すごく虫の居所が悪くてさ。このままだと壊しそうだから…
つい先週も壊してさ……さすがの兄さんも怒りそうだしね」


「……そうですか」


意味は解らないけど気分転換で散歩していたらしく。


「で、私たちはどこに向かっているんですか?」


響子さんを送るクマさんと別れ、てっきりマンションまで送ってくれると思っていたけれど……


「んっ?……そうだね、ボク達はどこに向かっているんだろう?
天国?それとも地獄?」


「えっ!?」


私の戸惑いを右京さんはクスクスと笑いだし


「しゅーちゃんにお酒付き合ってもらいたくってさ。ほら、そこ」


立ち止った右京さんは、暗黒の世界へと顔を向ける。

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