PURPLE Ⅰ【完】

第3章 /女神

めんどくさい。


しち面倒くさい。


アオがソファーで膝を抱え、そこに顔を埋めて座ってから一言も口をきいてくれない。


どうやら正面に座る隼が、アオに余計なことを吹きこんだらしい。


キッと睨めばフンッと顔背ける天敵。


「アオ違うんだよ。右京さんには絡まれていたところを偶然助けてもらって、マンションに送ってくれるついでに偶然あの店に寄っただけで、すっごい偶然だったの…ほんと偶然!私もビックリ~」


「へぇーそれで偶然右京とキスしたんだ?」


ニヤニヤと隼が茶々を入れる。


「うっさい隼!いつもは話しかけても喋らないのに今日はホントお喋り」


睨みながら隼に怒ってもフンッと鼻で笑ってソファーに横になる。


「アオ?だからね、あの日アオからの誘いを断ったのは、本当に事務所の社長とカメラマンさんとご飯を食べに行くからで……」


「オレがシュウをあの店に連れて行きたかったのに……」


顔を埋めたままアオが拗ねる。


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