PURPLE Ⅰ【完】

第3章 /Caduceus Ⅱ  在所

「さあ姫こちらへ」


以前と比べ明るくさせた3階には、やはり私たち以外の人はいない。


「ねえロイ、いつも店には居ないの?」


「はい。本業が忙しい身ですから、ここは片手間でやっている程度で、ほとんど任せています」


「だったら今夜はどうして?」


「もちろん蒼天が姫を連れてくる情報が入ったからです」


『フフン』と得意げな顔を向けると『右京か由利だな』と悔しそうに、それでいて諦めたかのようにアオが呟いた。


なんだろう?私の行動は、あの2人に筒抜けなのかと。


それはそれで......


「ところで今夜は、どんなリミテーションがでているの?」


「いえ大したことでは。ただ姫の安全を考慮し、今夜はカドゥケウスのチーム関係者の入店だけを許可しております」


「……」


「わたくしの店で、もしも姫に何かあってはと貸し切りでも良かったのですが、そこまですると逆に姫が気後れしてしまうのではないかと思いまして」


そこまでされては…


「ありがとうロイ。だけど安心して、この店へ来るのは今夜で最後だから」


0
  • しおりをはさむ
  • 1332
  • 5748
/ 314ページ
このページを編集する