PURPLE Ⅰ【完】

「姫、次はわたくしと遊びましょう」


ロイからの誘いに二階をぐるり見渡し吟味すれば


「ねえ、ここはロイの趣味なの?」


ビリヤード、ダーツ、さすがにスロットはないけれどプチカジノのようなフロアー。


「そうですね。わたくしだけの趣味というより、京悟や右京の意見を取り入れて最終的にこうなりました」


「ロイもカドゥケウスだったの?」


「はい。まだチームも発足していない、そんな頃から2人とは一緒にいました」


ロイの表情が穏やかになり


「楽しかったんだね?」


「ええ。今が退屈だと、嘆いているのではなく。年齢を積み重ねるごとに、あの頃の時代が神聖化されていくので不思議です。
喧嘩して人を傷つけ、決して他人に褒めてもらえるような行いなどしてこなかったはずなのですが…何故か輝いて見え」


ロイは言葉を詰まらすと『つまらない話をしてしまいました』と詫びてきた。


「ううん、なんだか羨ましい。
男同士の間って特別な絆のようなものがあるでしょ?それがね、微笑ましいなって」


礼儀正しい男の子が、ロイに頼まれていた飲み物を緊張しながら渡してきた。


渡されたピンク色のそれを口にすると甘酸っぱくて......


─なんだかロイっぽいな……なんて思った。


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