PURPLE Ⅰ【完】

第3章 /月影

一瞬の風


断末魔の叫び


驚き開いた視界には、唯愛の腕を捻り上げる由利さんの姿。


『唯愛!』と跳びかかるジクを回し蹴りで仕留める。


その流れるような一連の動きは、声をかける隙さえも与えてはくれず


ジクは壁に掛けられたスクリーンにぶっ飛ぶと、歪んだ映像ごと床に落ちた。


「あっ…あ…ああ……」


恐怖を語る唯愛の声。


その傍には唯愛を見下ろす京悟さん。


唯愛は痛めた腕を押さえガタガタと縮み上がり、目の前に立つ畏怖から目を逸らすことさえも許してもらえず


『あ…あっ…』と声なき叫びをあげ、恐怖という名の液体を瞳から流していた。


「隼、説明しろ」


京悟さんは眼光だけで唯愛を捕えたまま隼を呼ぶ。


「京悟さん待って下さい。私が唯愛に、そう仕向けたんです」


その訴えに彼は一呼吸置き私に向くと、途端に糸の切れた凧のように唯愛は気を失い倒れた。


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