PURPLE Ⅰ【完】

第1章 /お見合い当日⑤ プロポーズ

日差しが穏やかに射し込む明るい室内にセンスの良い調度品が並ぶ。


料亭なので出てくる料理は日本料理を想像していたけれど和洋折衷の創作フランス料理で、美しく盛りつけられた料理はどれも美味しく。


10歳も年の離れた京悟さんとのお見合いでの会話も、通っている学校、ゴルフや映画の話など、意外にも彼が話を盛り上げてくれた。


終始柔和な笑顔を浮かべ和やかに食事をする彼らは、とても裏社会の人間には見えず。


相手にどんな印象を持たせるべきか、相手に合わせて自分をどう見せるべきか


どの社会でも上の立場の人ほど自分をプロデュースする才能を持っていて


ある意味それは恐ろしくもあり


一見和やかに進むお見合いの裏で、それは酷く私を疲れさせた。


生まれ育った環境、トップを育てる学校。


二つの恩恵を受けた私でも、彼ら大人達の足元にも及ばず


まだ自分が、ほんの16歳の子供だと思い知る。


だから……


「少し外でも歩きましょう」


京悟さんからの誘いに心底ホッとし頷いた。

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