PURPLE Ⅰ【完】

1階の空き部屋は、すっかりアオの部屋に様変わりし


お風呂場にはアオのシャンプー。


洗面所には歯ブラシ。


キッチンには私とお揃いの茶碗やカップが並ぶ。


京悟さんには『とんだシスコンだな』と笑われたけれど、実際アオは忙しく、私に構ってあげられないアオなりの心配りじゃないかと思う。


「以外だったな……。シュウがジクのお願いきくなんて」


抱きしめられ、胸に顔を埋めて眠る私の頭上から、沈黙を破る様にアオが話しだした。


「隼なんだか疲れてたね」


「それで?」


「へんに巻き込まれたくない気持ちもあるけど…ジクみたいな子もいるんだなって」


「……」


少しずつ意識がまどろみ、ふわふわとした波に漂う。


「自己犠牲を喜びに…っていったら変だけど。自分の苦しみをすべて変換して相手に還元しようとするジクに興味が湧いたの」


「アイツは、そんな深いこと考えるヤツじゃねぇ」


「フフッ…そうだね…でも興味があるの…それの…行き着く…先に……」


「わかった。オレからも昌樹さんに頼んでみる」


コクンと頷く私の髪を撫で、ゆっくり眠りの世界へ誘う。









「おやすみシュウ。
夢の入り口で待ち合わせしよう。」




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