PURPLE Ⅰ【完】

頼んだウーロン茶を『どうぞ』と馬鹿丁寧に出されるとお父さんが口を開く。


「さて、先に細々とした話を済ませようか。隼を護衛から外したいらしいな?」


外したくはない。


言葉少なくオレ様なヤツだけど、ここ最近はやっと息も合ってきたと感じていて


このまま行けるものならと思うけれど…


「違います。外したいではなく解放してあげたいんです」


「ほう」


「今、隼が向うべき人と向き合わせてあげたいんです」


「なるほど。でもそれをアイツは望んでいるのか?」


お父さんは『それは……』と言葉を詰まらす私から一旦視線を外すと、傍に仕える男がタバコを差し出す。


カチリとライターで火がつけられる間、僅かな猶予を私に与えてくれる。


「望んではいないでしょう。余計なお世話だと罵られることを、私はしていると思います。ただ……」


再び言葉を詰まらせ、訪れた沈黙を破るかのようにお父さんがゆっくりと煙と胸中を吐き出した。


「あいつに足りないモンは覚悟だ」


0
  • しおりをはさむ
  • 1341
  • 5830
/ 314ページ
このページを編集する