PURPLE Ⅰ【完】

第1章 /*








─京悟side ─









「お疲れ様です」


組長を送り出し最後になったオレに頭を低くし声を掛けてきた。


「ロイ来てたのか」


「ええ、姫君を拝見しに」


含んだような笑みを浮かべる。


そのツラも、まるで貴族のような外見のこいつがすればかなりエロい。


「どこにいた?お前の気配なんかしなかったぞ」


「あー、女将の着物があまりにも素敵だから、脱いでもらってじっくり見ていたからじゃないかな?」


親父の見送りしていた女将、後れ毛なんかを気にしてる姿、赤く染まった頬。


「なるほど、着物だけじゃなく中身もじっくり見ていたわけか......」


「ふふっ まあね」


「まあいい。お前が来てるってことは、アイツもいるのか?」


ロイは返事をすることなく黙って車のドアを開ける。


思った通り車の中で待っていたようで。


「わざわざ来たのか?」


「我が組の一大事ですから」


「一大事ねえ?」


大げさにふざけて話すそいつに、バカにしたように返す。


「彼女は兄上の将来を左右する方ですからね」


口角を少し上げて笑うが、メガネの奥の瞳は冷めていて。




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