PURPLE Ⅰ【完】

「それにしても可愛らしい方でしたね?」


助手席に乗り込んでいたロイが前から口を挿む。


「はっ? 顔なんか関係ねえだろう。
要は使えるか使えねえかだ。でも勃つぐらいの顔じゃねえとガキもできねえな」


オレの興味のない返事に、隣にからはクスクスと笑い声が聞こえ。


まだ始まったばかりだ。


「先ずは、どっぷりオレにハマってもらわねえと」


そう……女は惚れた男の為なら、どんな事も出来る生き物だから。


日が落ち薄暗闇の車内。


「あ~あ~~。姫も悪い男に捕まって可哀想」


ロイの放った空疎な言葉と笑い声だけが、底知れぬ闇に響いた。








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