PURPLE Ⅰ【完】

格子状のシャッターが上がり、ロイは車を奥へと進める。


数回右にカーブを切ると現れた大きく頑丈な扉。


「少しお待ちください」


ロイは運転席の窓を下ろし、設置されたパネルを操作する。


よく見渡すと前後左右あらゆる角度から数台のカメラがこの車を観察し、警戒をしていて。


「ロイドです」


彼の言葉と同時に、目の前の大きく強固な扉が左右に開いてゆく。


「すごい...」


思わず声に出してしまった思いをロイは拾い上げ


「ええ、ここはカメラだけではなくサーモグラフィーなど用いて、車内に潜んでいる人物なども発見できるようになっています」


最初の格子状のシャッターは、逃げ道を防ぐための鉄格子……


『ガチャン』と鈍い音が響き、完全に開いた入口に車を前進させる。


そこは駐車場らしく黒光りした高級車が整然と並んで止まり、ロイは奥まで進めると車を停止させた。


「姫、着きました。もう少し姫と一緒にいて愛を語り合いたいのですが......残念ながら京悟が待っています。是非、次の機会には海岸線でもドライブ致しましょう」


「ありがとう。ロイ」


ロイの言葉の中に何か引っかかるも


『お疲れさまでした』と急に開けられた車のドアに言葉を飲み込む。


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