PURPLE Ⅰ【完】

第1章 /一之瀬 昌樹

「さて!」


パンッ!とお父さんが手を叩くと場が引締まり


なに?


由利さんが食べ終えたケーキ皿やカップを片付けている間中、固まってしまう。


「今からが本題だ、朱織」


お父さんからの真っ直ぐな視線


「はい」


「さっきも話題になったが、秘密はいつかバレると想定して動いていたほうが賢い」


「はい」


「それは朱織、お前さんだけの厄介事ではなく、この一之瀬の家の問題にもなってくる」


「問題ですか?」


次第に張りつめてくる空気に息苦しくなる。


「そうだ。問題はこの家には敵が多いってことだ」


この部屋に来るまでのセキュリティーの数で、それは理解しているけれど……その後に続く話の道筋がみえてこない。


私に構うことなくお父さんは続ける。


「朱織。
これからの数年のうち、藤崎会長の跡目争いが激しくなるのは目に見えている」


「……」


「会長も歳だ。次の会長の指名こそしてはいねえが…いや、だからこそ後継者争いが起こるんだが。
一之瀬組組長のわしも、その是非に及ばず。……ここまでは理解できるな?」

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