PURPLE Ⅰ【完】
『吸血鬼に襲われる乙女の部屋』
天才コピーライターも唸らすキャッチコピーぴったりの部屋に、呆れを通りこし納得さえしてしまう。
真白いレースの天蓋付きベット……その大きすぎるベットには、純白のフリルのベットカバーがかけられ
ロッキングチェアーには特大のテディーベア―
年代物のライティングテーブルに置かれたキャンドル、うさぎのぬいぐるみ
ベランダに続く窓には青紫のビロードのカーテンがかけられ、陰鬱さを醸し出す。
そう、まるで貴族の部屋……
そう思考が行き着くと可笑しくなって笑いだす。
ロイの小さな独占欲に。
この部屋に入るたび、きっと貴族のようなロイを思い浮かべる。
彼の中で眠り、そして目が覚めた朝一番に思い出してほしい。
……そうメッセージを送っているかのようで。
子供の独占欲のようで微笑ましくもあり、由利さんからの『やはり替えましょうか?』の申し出も断っていた。
その後はコンシェルジュとの面通し、セキュリティーの説明を一通り終え、『明日迎えに来ますから』と由利さんは帰って行った。
あらすじ
お見合い相手は、侠仁会 一之瀬組若頭 『一之瀬 京悟』
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