PURPLE Ⅰ【完】


導かれるように奥へ奥へと進む。


久しぶりに踏み入れた世界に、眠っていた神経が呼び起こされる。


「……い……――」


蚊の鳴くような声が囁くキーワードに、魂が反応して足を止めた。


声の主はみえない……


でも、これ以上彼に近づくと気配を察知されるだろう。


聴覚に全神経を集中させる……


「あっ?………むり………だ………
ち……カドゥ……ス………やつ…」



カドゥ……ス??


「いや……あぁ…そらせ……もう1人
…トップが………
チッ…  クソ!」


吐き捨てる言葉と共に、狭い路地を駆け抜ける音が次第に小さくなっていく。



カドゥ……ス?


もう一人?


トップ?


幾つかのキーワードを組み立てる為、今度は脳髄に神経を集中させ待ち合わせの場所へと急いだ。

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