停留所で一休み【完】

第19話 期待

有給も明日が最終日という日の夜。

私は携帯で、上司である高田部長に電話をかけた。


『はい。』

久し振りに聞く部長の声。

「お疲れ様です、部長。あの……小形です。」

『お疲れ。』

携帯だから、わざわざ名前を名乗るほどでもなかったのだが、なんと切り出せばよかったのか、分からなかった。


「実は、部長にご相談したいことがありまして……」

『何?』

ぶっきらぼうな言い方に、今までとは違うとは感じた。

だってそうだ。

私、退職願出してきたんだもんね。

でもここで切り出さないと、未来は開けない。


「あの……私が出した退職届を、なかった事にして頂けないでしょうか……」

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