停留所で一休み【完】

第10話 それぞれの仕事

私が実家に戻って来て、しばらく経ったある日のこと。

母が私に、頼み事をしてきた。

「出海、真恵(マサエ)のところに行ってきてくれない?」

「ええええ~~」

私はお腹の底から、嫌な声を出した。


「私さ。忙しいんだよね。」

「思いっきり暇でしょ!」

母は私の頭を叩いた。

「帰ってきてからずっと、何するでもなく家にばっかりいて。少しは外の空気でも吸って来なさい。」

「だからって、真恵叔母さんのとこに行くの?」

私は、母の妹の真恵叔母さんの家に行くのは、抵抗があった。

「そうよ。庭に生ったプチトマト、前からほしいって言われてたの。出海、はぱっと届けてちょうだい。」

「はいはい…」

私は、ため息混じりに返事をした。

  • しおりをはさむ
  • 93
  • 842
/ 224ページ
このページを編集する