at last

5月は始まり、 /治にいて”報復”を忘れず






テストが無事に終了し、太一の課題が提出されたことで、俺の周りには束の間の平穏が訪れていた。



とはいえジワジワと近づく体育祭は、もう来週だ。



昼休みは練習で忙しいといえばそうなのだが、放課後は誰も残る気が無い(黄山の連中に巻き込まれたくない)ので早々に帰れる。



そんなほのぼのとした時間も、今日を以て崩れ去る。




「さて、みんなお楽しみの時がやってきた……」





金曜の最後の授業。


LHRの時間。


いつもと違うテンションで、委員長は切り出した。




「みんな、心の準備はいいな?」




シーンと静まり返った教室内で、委員長へと集まった視線が肯定する。



委員長はゆっくりと見渡して、一つ頷いた。


そして深く息を吸い込み、口を開いて。




「体育祭の大目玉、学校対抗リレーのメンバーの、発表だァァア!!!」



「「「いぇーーーーーーーい!!!」」」




耳がキーンとする。


随分な盛り上がりだ。




「選ばれし者は学校でたったの二十人。天羽の総クラス数は二十四。……泣いても笑っても、俺たちは彼らにすべてを託す」




すべてっていうか、学食無料券をだよね。


みんな真剣なだけに、ツッコミが効かない。




「行くぞ!」




委員長は手に持った紙を開く。




「前半女子、第一走者三年二組渡辺伊織、第二走者二年五組柏木雪乃、第三走者ー……」




やっぱり先輩が多いか。



だが。





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