お女ヤン!!8【完】

★8 /scene







―――――それから30分後。









【ケース1 沢田 与四郎の場合】





***






「正直。今回の件に関しては理由はどうあれ、アンタたちが正解だったと思うわよ」




街の喧騒に自分の声を程良いトーンで混ぜ込ませながら、ガードレールに腰をおろして自分の青い瞳の前を通り過ぎていく人並みを見つめながら、西が俺に向かって呟いた。



太陽は徐々に西の方角に傾いているが、まだ空は青を分厚く保ったままだ。




星野宮と別れたあと、俺は西と合流した。ちなみに斉藤秋一が所有してる屋敷をしらみつぶしに探していく事に関して手伝いを頼めば、西は珍しくすぐにOKをかざした。助かる。





凪とはまた違う金色の腰まである長い髪。女でも男でも、どちらでも通用しそうな服装に見を包む東高校の上にたつオカマは、千里と同じ部類だ。



そして、どこにいても周囲の人間が振り返る。





「藤堂千春っていうバカがいない時に乗り込んでも、ソイつがまた戻ってきたら同じ事になるだろうし。頭をつぶさなきゃ、どうせ再生するのよバカな連中は」

「それでも相当危ないところまでいったけどな」

「でしょうね。だって千里はあたしたちに“夏が終わる頃―――8月の中旬か後半頃”って始めから言ってたんだもの。それは全員、納得いかねえようになる」



言って、西は海外モデルのように長い脚を豪快に前に伸ばした。なにを食ったらそんなに長くなるのか、疑問すぎるな。




凝った肩をぐるり、一周してから俺は街の喧騒を鼓膜に忍ばせる。




夏休み最後にさしかかった事もあるのか、平日のくせに人が多い。



水滴が張り付いたペットボトルの中身ををごくり、飲みながら歩く奴等は涼しそうだ。



そういえば今日は凪たちにかまっていたせいか、なにも胃にいれてねえ。



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