お女ヤン!!8【完】

★8 /自由人と策士の密会





―――――――――――――白百合学園の生徒会長がこの街を出て行く数ヶ月前。カフェ店内。



***



「遅いですわ。本当に遅いですわ」

「悪い悪い。道が混んでてよ~」



まあ、なんですのその口の利き方。わたくしココで10分も待っていたんですのよ!



しかも今日は日曜日ですのに。わたくしの休日がこの方のせいで潰されていくなんて世も末ですわ。誰かにかわってほしいですわ。




「わたくし、あなた達みたいに暇じゃないんですのよ」

「おいおい。昔北校から助けてやったじゃねえのよ~。そんな口利いて常識ねえのはどっちだよ」



そう言ってわたくしの向かいの席に座る藍色の髪をした彼は、メニュー表に視線を落としもせずに、こちらを見て凄艶な微笑を湛えた。




「オジョーサマっつうのは、全員変わった奴等じゃねえのよ~。葵こわーい」

「わたくしはあなたの事、怖くもなんにもありませんわ」

「なんだソレ。ほめ言葉かい?」

「まさか。勘違いも甚だしいですわ!」




わたくしがほめる相手はただ1人だけですの。バカになさらないでほしいとか言いようがありませわね!




「……でもまあ。あなたが指定してきたこのカフェはセンスが良いと。言ってやってもいいですけれど」

「ほめれてるのかケナされてんのか、分かんねえよオジョーさん」




だって、いかにも女性が好きそうなカフェですもの。きっと色んな方を連れてきているのですわ。汚らわしい!



わたくしは椅子の背にあるパッチワーク柄の小さなクッションを膝の上に持ってきて、目を細めた。



ゆるいウェーブをえがくその髪型と泣きボクロ。まあ、整った顔立ちだと言ってやってもいいですわ。服のセンスも小物のセンスも………チッ。


よろしいかと。




事実、店内にいた他の客から店員までもが、彼を見ていますもの。趣味がよろしくないですわ、あの方々。ドン引きですわ。




それに、



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