お女ヤン!!8【完】





「あなたとこうして会う時間があるなら、わたくしはミホ様とお茶を飲みたいですわ」



彼が来る前に頼んだミントティーを一口飲む。カップの側面に虹色のバラが描かれているそれは、とてもかわいらしいです。



あとでこの食器がどこの会社のものか聞いて、生徒会室に置きましょう。



余裕な笑みをたずえながら周囲に、「おねえさーん。可愛いねえ。今晩暇?」ゆらゆらと手を振る彼を見る。



でも、ミホ様は昔、彼についてわたくしにこう語っておりましたわ。




――――――――《見てよ麗華ちゃん。今朝葵くんがお弁当を届けてくれたんだけどね。中身!なんと、スパイダーマンのキャラ弁なんだよ、凄くね黒くね?リクエストした甲斐あったわー………あれ?何か手紙が挟んである。やだ、あの子ったら心優しいんだから………あれ?端っこにイラストがある。コレは……与四郎さんが書いた…………ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああ!》




あ。違いますわ。




こちらはボイスレコーダーに録音した、ミホ様の絶叫気絶ファイル№3でしたわ。こちらの回想ではなくて。




――――――――――《麗華ちゃん。葵くんはね、よく見てたら分かるよ。無駄に愛想ふるった笑顔の時は、大抵目の奥が冷え切ってるから》



けれど……麗華にはよく分かりませんわ。彼は普通にヘラヘラ笑っているように感じます。



でもそれはきっと、他人を観察して傷を見抜く事が出来るミホ様だから分かるのですわ。





「ん?なんだよコッチ見て。オメーにも手振ってやろうか~?」



と、わたくしの視線に気がついた彼がこちらに手を振ってきて。




「結構ですわ」

「つれないじゃねえのよ」

「………」




ああ……この方を見ていると心配になってきますわ。だってミホ様はこんな珍獣達がいる高校に、いつも顔を出していらっしゃるのでしょう?


美しいミホ様麗しいミホ様妖艶なミホ様お優しいミホ様チャーミングなミホ様絶叫系なミホ様若手芸人なミホ様――――――とにかく。


わたくしのミホ様が彼らのところでイジメられたりしていたら………、







「惨殺しますわ」

「え。ちょっと。え?オメーなに言ってんだよ急に。びっくりするから物騒な単語言うんじゃねえよ」



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