お女ヤン!!8【完】

番外編 /ツインズ





――――――凪が、ケガをして帰ってきた。



そう真理子さんから聞いて、あたしは机の上に開いていた参考書から視線をあげた。




「また喧嘩したそうだよ、ウチの息子は」

「そうですか」



あたしの部屋のドアに寄りかかり、答えを待っている真理子さんに何気ない返事を返して、参考書の中を見つめる。数式だらけ。目が痛い。




どうせ他校の不良と喧嘩でもしたんだろう。


シャーペンをカチカチしながら、数学の問題を解いていく。


そんなあたしの隣に、真理子さんが立った。




「こんな遅くまで勉強してるのかい?」

「白百合はレベルが高いですから」

「受験熱心だねえ」

「やる事ないから」

「友達と遊べばいい」

「いないです」

「アンタは目つきが悪いからね。周りから怖がられてるのかもしれないねえ」



真理子さんの低い艶やかな声と共に、その肌や着物、髪から香るそれが鼻をかすめていく。




「笑ってごらんよ、麻耶」

「…無理です真理子さん」

「…ふうん」

「……」

「麻耶、心配じゃあないのかい?」

「凪がですか?心配じゃないです」

「そうかい」

「はい」




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