ナマケモノに夜《完》






夜人が、言う。




「私も同じだよ」

「本当かよ」

「うん」

「……八重」





夜人が私の肩に額を押し付けたまま、呟いた。



掠れ気味のその声は、私が喘げばすぐに聞こえなくなってしまうから、私は夜人が動かしてくる腰に手をあてて、なんとか快感を少しでも手放そうとしながら「なに?」と訊いた。




なあ、八重。怒らないで聞けよ。




夜人が私の髪を指ですきながら、苦しげに、もう仕分けなさそうに言う。










八重、もうオマエの兄さん。


「殺してもいい?」




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