ヒドいよ、並木くん。


「ウソだぁ。並木くんは、器用でしょ。なんでもできて、人から尊敬されて、おまけにカッコ良くて、とってもズルい__」


「黙れ」


再び、並木くんの唇が、わたしの唇に重なった。


さっきより、重くのしかかる。


「くるしっ……」


並木くんから離れて並木くんを見ると__耳まで真っ赤になってることに気づく。


もしかして、照れたの?


「喋んな」

「ん……っ、」


再び重なる唇。


あたたかいものが、侵入してくる。


こ、これは……


「ねぇ、並木くん」

「ん?」

「なにか、ついてる……?」

「ああ。ピアスだよ」

「へっ……」


ニヤッと意地悪に笑う並木くんの舌に


シルバーの小さなアクセサリーがキラリと光っていることに気づく。


「そ、そんなとこに、ピアスしてるの?」

「内緒な」

「不良っ……」

「上等だよ。もう大人しくなんてしてやらねぇから、覚悟してろよ?」

「えぇ……」

「__好きだよ、チハ」

「……!!」


正面から、優しく包み込まれる。


「……見てわかれよ」

「なにが?」

「好きでもない女、気にかけたり守ろうとなんてしねーだろ」

「わ、わかんないよ」

「まさか俺が、ストーカー女にこんなに夢中になるなんてな」

「ストーカーって、いうな……!」

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