ヒドいよ、並木くん。



「ああ、つばさなら成人してるよ。30手前だったと思うけど」


つばささんが超絶童顔男だという驚愕の事実が判明した、とある休日の午後。


2人が買い出しに行ったので、並木くんと二人きりで過ごすことになった。


「なにしてる人なの?」

「バンドマン。インディーズだけど、結構人気あるみたい」

ソファに横たわる並木くん。


「……そうなんだ」


タバコ臭い部屋の中がどうも落ち着かないので、窓を開けてから、並木くんの隣に腰をおろす。


わたし、知りたいな。つばさんのことも、ヤマトさんのことも。


もちろん__並木くんのことも。


並木くんは、家に帰っていないらしい。ヤマトさんの家に厄介になっているという話をヤマトさんから聞いた。


「いつ勉強してるの?」


前よりずっと長い時間を並木くんと過ごすようになったが、遊んでばかりいるように見える。


「授業中」

「えっ、授業だけで、学年一位とれるの?」

「中学レベルの勉強なんて、授業聞いてりゃ理解できるだろ」


そんなことをさらっと言えてしまうのが羨ましいし憎たらしい。


「暗記問題は?」

「一度見れば覚えられる」


なるほど……。どうやら、並木くんは、天才型のようだ。

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