優しい獣・Ⅳ[全完]

女の子のいる店が何を指すのかくらい、私だってわかってる。

クラブと言われて、まさか踊る方のクラブだと思ったわけじゃない。


でも・・・。


「仕返し」


目の前が真っ暗になった私に本郷さんは告げる。


「仕返しっつーか、お仕置き?」

「お・・・、しおき?」

「そう」


綺麗に整えられたスーツの上に、ぎらりと光る眼を携えた本郷さんが居る。


「嫉妬してみんのも悪くねぇだろ?」

「嫉妬・・・?」

「いつもいつも、俺ばっかだからな」


その眼を際立たせるのは、あまりに端正な面。


「たまには味わえ」


そう言って本郷さんの口角がニヤリと持ち上がって、


「・・・・・・え?」


ベッドで呆然とする私を他所に、ドアが静かに閉まった。

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