優しい獣・Ⅴ[全完]

玲人の部屋に行く前に、玄関からガレージを確認すれば跳ね馬がそこに居た。

でも部屋に玲人はいなかった。


綺麗に整えられたままのベッドは、昨夜主を迎え入れなかった証。


「・・・玲人?」


嫌な予感に背筋がゾッとする。

ドクンと心臓が脈打つ。


震える手で携帯を握り、掛けた先は玲人の携帯。

3コール目に綺麗な声色が耳を撫でてくれたけど、


「今忙しいから、後でね」


瞬く間にそれは通話終了の無機質な音に変わった。

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