優しい獣・Ⅴ[全完]

「絶対だよ?絶対!」

「わかったって」

「約束だからねっ」


助手席から運転席に座る本郷さんを縋るように見つめ、必死で交わす約束。


「はいはい」


そんな苦笑いを含んだ返事と共に大きな手が私の頭を数回叩くから、適当にあしらわれているような気がしたけれど信じるしかない。



約束の内容はいたって簡単。

玲人が屋敷に帰ってくるか、現在地がわかり次第連絡するというもの。

玲人とは連絡がついているし、何も心配することはないのかもしれないけど不安は拭い去れなくて。



「女といるだけだろ」


って本郷さんは笑うけど。

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