優しい獣・Ⅴ[全完]

「株って言うのは、簡単に言ってしまえば企業にとっての資金集め」

「うん」

「じゃあどうして一般の人が資金集めに協力するのかというと、その企業に関連した商品券をもらえたり、配当金を得られたりするから」

「・・・うん」

「それだけじゃなく、株が安いときに買って高いときに売れば儲かるからね」

「・・・・・・」


昨日から松本さんに教えてもらってる経済学。
でも私はそういう事に関しての知識を一切持ち合わせていなくて。

教えてもらっても教えてもらっても全然理解することが出来ず、そんな私に向けられる松本さんの表情は段々険しく・・・。
もっと言えば極道の顔になっていくから。


わかったフリをしてしまった。


今日の授業に向けて寝ずに参考書と格闘したけど、難しい言葉で綴られた経済学は一欠けらとして私の脳に焼き付いてはくれない。


あと2時間で松本さんが部屋にやってくる。

限界を感じた私はこうして玲人の部屋に飛び込んで、助けを求めたけど。

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