坊ちゃま、ホットミルクは如何でしょうか。∼Spring∼【完/修正中】

【春】 /経験。












私は、自身の教室に行くよりも先に、高志様の教室に行く。



「あ、高志。おはよう。」

「将大!よっす!」



高志様のことを、“様”でもなければ、“くん”でもなく、呼び捨てにして呼ぶこのお方は、宝井将大たからいまさひろ様。



高志様の幼馴染で、最も親しいご友人でございます。



座っていた席から立ち上がり、私達の元へと来た将大様は、ぎゅう…と優しく抱き締めた。



「アンコ、おはよう。」

「おはようございます、将大様。」



――勿論、高志様ではなく私を。



「今日も綺麗だね。」

「恐縮です。」



ニコリと微笑む将大様は、相変わらず、心臓に悪いお顔立ちをなされている。



出身は日本だけれど、育った地はアメリカである将大様は、日本人よりもややスキンシップなるものが多い。



つまり、この抱擁も、ただの挨拶。下心など一切ありはしなというのに、高志様は――…



「おいこら、将大!アンコから離れろ!アンコは俺のだぞ!」



お察しの通り。この通りでございます。












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