声のない彼女と、その彼女を手放したくない王子様の話。「キスしてもいい?」「(……だめだよ)」「聞こえない」
水の中でなら、この声が彼に届くような気がしていたんだ。
「 」
泡の様に消えてしまいそうな君の声を、一つだって逃したりしない。