城 3 <現在修正中>

エピソード2 兄弟

 海里はゆっくりと滑らかな声で話し始める
 詩の朗読のような告白

 <どうして>ーーーー……
 警察で絶対に自供しなかったか?


 全てがそこにあった
 城主には理解納得出来た

 そうせざるを得なかったことも


 
 海里の声は美しかった
 それだけに運命の残酷さが際だった

 「…
 僕にとってのあの”運命の日”は・・・・
 いいえ夜ですね

 グループ『デビュー』以来の念願

 ・・・いや1つの<悲願>だった『電脳ジャーナル』
 記者によるインタビューの同日でした

 ”前夜”というか”当日”というか……
 2つの日を跨ぐ闇のーーーーーー……

 何物でもない朧気な時でした


 <電脳ジャーナル>…
 このメディアにたとえ悪口でも乗ると言う事は既に有名になった証

 形のない勲章……
 此処だけを見据えて私はやってきました

 〜ですからね…

 本当ならもっと高揚した気分になる筈でした
 が・・・・
 目的を果たしたのに
 僕はとてもではありませんがそんな気分にはなれませんでした



 「お兄?? 
 何だか今日ヘン・・・みたいだったけど何か変わったことがあった???」

 長いーーーーインタビュー終了後

 自宅防音の音楽スタジオで末の弟、五男の『渚(ナギサ)』が、長男である僕に聞きました



 インタビュー後に行われたパーティーでの興奮で、ほんのり頬を紅色に染めつつーーーー……
 ユラユラしなやかな体幹を起こし
 チャームポイントのバンビのような美しい大きな瞳で、じっと僕の目の奥をのぞき込んできたので困りました

 『やっぱり鋭いなあ……』・・・と

 彼は昔からそうでした
 僕の心の不安や戸惑いや悩みをすぐにピタリと察してしまうのです

 何時も彼だけは…
 兄たちのどんな些細な気持ちの変化や秘密も、その優しい心で敏感に察してしまうので咄嗟にーーーー…
 兄だからーーー…
 メンツもあり年下の弟に気取られまいと煙に巻こうとしました

 「隠し事が有るんでしょ?」

 すると先手を取られたんです
 ぷんと頬を膨らませられました

 「〜〜〜〜…!」
 「えー・・・やだってば~海里お兄・・・」

 あまりのかわいさに……
 有名ヘアスタイリストにセットされた〜
 猫っ毛で柔らかい大好きな髪を悲鳴にもかかわらず思わずぐしゃぐしゃにしてしまいました

 「いい匂いがする」
 「お兄だって!」

 渚の滑らかな散々髪を悪戯すると……
 ぷーっと可愛く頬を膨らませていました

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